お子さまの歯並びを悪くしないために
生活習慣に気をつければ、歯並びが悪くなるのを防げる可能性があります
「予防歯科」と言えば、むし歯や歯周病について語られることが多いですが、歯並びが悪くなる要因が後天的なものの場合、歯並びも悪くならないように予防できる可能性があります。
しかし、むし歯や歯周病と同様というわけではありません。むし歯や歯周病は、注意を払い、しっかりと予防ケアができていれば、予防することができますが、歯並びはそういうわけにはいきません。歯並びが悪くなる要因として、遺伝が大きく関わっている場合(骨格に問題がある、歯の大きさが大きい、歯の本数が足りないetc)などでは、これから挙げることを全て気をつけていただいても、悪くなってしまうことがあるからです。
歯並びが悪くなるのを完璧に予防する方法はありませんが、これから挙げることに心あたりのある方は、なるべく歯並びが悪くならないように、気をつけてみてはいかがでしょうか。
歯並びが悪くならないために気をつけていただきたいこと
1.歯並びを悪くする可能性のある癖を直しましょう
普段から何気なく行なっている癖が歯並びに悪影響を与えることがあります。
- 指しゃぶり
- 頬杖をつく
- 指・爪・唇を噛む
- 一定方向でいつも寝ている
- 口が常に開いている
などが挙げられます。指しゃぶりなどは、乳幼児の時は特に問題がないのですが、5~6歳を過ぎてからも癖として残ってしまうと、指の力で歯が動き、出っ歯の原因になってしまうことがあります。
お子様にこれらの癖がある場合は、徐々に直すように心がけましょう。
2.口を閉じてしっかりと噛む習慣をつけましょう
子供の頃に、よく噛まなくても食べられる軟らかい食事やよく噛まずに飲み物と一緒に飲み込むような食べ方ばかりをしていると、口の周囲の筋肉や、あごの発育に影響がでることがあります。 結果、小さなあごに大きな歯がはえる場合、歯が並ぶだけの十分なスペースがなくなり、前後にデコボコとした歯並びになってしまいます。 口を閉じてしっかり噛む習慣をつけましょう。
3.むし歯になってしまった場合は永久歯が生える前に治療をしましょう
初めての永久歯は一番奥から生えてくるので、乳歯には後から生える永久歯の場所を確保する役割があります。乳歯のむし歯を放置して形が変わる、抜歯した場所をそのままにして隙間があると、永久歯が正しい位置に生えずに歯並びやかみ合わせが悪くなる事があります。また、成人になってからの抜歯も放置しておくと、親知らずに押される、左右の歯が隙間に移動する・空いた所にたおれるなどで、かみ合わせや歯並びが悪くなることもありますので、むし歯になってしまった場合は早めに治療をしましょう。
4.口呼吸に気をつけましょう
扁桃腺肥大や鼻炎など、病気やアレルギーの症状が原因で口呼吸を続けると、歯を唇で押さえる力が弱くなり舌の位置が異なったり、口の筋肉バランスが崩れて出っ歯や受け口の要因となる事があります。これはある程度仕方ない部分もありますが、なるべく口呼吸にならないよう、症状を改善することが望ましいです。
小児(乳歯から永久歯にはえかわる時期の子供)の矯正治療
上述した通り、これらに気をつけていただいたとしても、歯並びが悪くなることがあります。そのような場合、矯正治療が必要になります。矯正の最適な時期は患者様の状況によって異なります。小さなお子様(乳歯から永久歯にはえかわる時期のお子様)の場合は、歯並びの状況によっては治療を開始せず、経過をみていくこともあります。
小児の矯正治療例:反対咬合(8歳男の子)
術前
術後
前歯のかみ合わせが反対であることから上の前歯の擦り減りが始まっていました。サ行タ行が発音しづらかったので、舌のトレーニングも行いました。
お子様の歯並びについて不安な保護者の方は、ご相談頂ければと思います。